第63回(令和4年12?23?掲載データ)
調査結果 性別役割意識(性年代別)における結婚に対する価値観の相違
「女性は結婚によって、経済的に安定を得る方が良い」は、性年代別で大きな差はないものの、いずれの層でも一定数みられており、直接言われたあるいは言動や態度から感じた「経験」では、男性より女性の方が多く、女性は年代が高くなるほどそう感じさせられた割合が高くなっています。特に女性50-60代が多く経験しています。
直接または間接的にそう感じさせた人として、女性は「母親」が1位で、次いで「父親」となっており、同性の友人や親戚が上位に入っていました。
過去の掲載データ
- 日本の男女共同参画に関する基本的なデータ
- コロナ下の女性への影響に関するデータ
- 女性に対する暴力についてのデータ
- 人生100年時代の結婚と家族に関するデータ
- 男女間賃金格差に関するデータ
- ジェンダー平等の進捗状況を示す国際比較データ
- モデル?アイドル等の勧誘を受けた経験等
- デジタル分野の人材(女性)の年収の推移
- 男性の家庭?地域社会における活躍
- 女性役員がいない東証一部上場企業数
- 女性議員がゼロの地方議会
- 在外公館の特命全権大使、総領事に占める女性割合と人数
- 令和4年版男女共同参画白書掲載データ
- ジェンダー?ギャップ指数(GGI)2022年
- 末子が就学前の夫婦の仕事時間、家事?育児関連時間(5年ごとの推移)
- 第16回「出生動向基本調査」(結婚と出産に関する全国調査)
- 上場企業における女性役員に関するデータ
- ジェンダー開発指数(GDI) 2022年
- ジェンダー不平等指数(GII)2022年
- 令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス?バイアス)に関する調査研究
日本の男女共同参画に関する基本的なデータ
日本の男女共同参画は、政治分野や経済分野をはじめ非常に遅れています。
「第5次男女共同参画基本計画」?「女性活躍?男女共同参画の重点方針2021」に基づき、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会となることを目指していきます。
ジェンダー?ギャップ指数(GGI)2021年
世界経済フォーラムが発表した2021年のジェンダー?ギャップ指数の総合順位は120位(156か国中)で、特に『政治』と『経済』における値が低くなっています。
政治分野については、国会議員や閣僚の女性割合が低いことや、過去50年間女性の行政府の長(日本の場合には内閣総理大臣)が出ていないことが押下げ要因として考えられます。また、経済分野についても、管理職の女性の割合が低いことや、女性が男性と比べて非正規雇用者の割合が高く、平均所得が男性より低いことが押下げ要因として考えられます。
女性議員比率の国際比較
日本の国会の女性議員比率を諸外国と比較すると、日本の衆議院の女性議員比率(10.2%)は、190か国中165位であり、G7加盟国の女性議員比率が平均約30%となっている中で、OECDやG7加盟国では最下位となっています。
議員比率を国際比較する際は、各国の議会制度が様々であることから、通常、二院制の場合は下院で比較しますが、参議院の女性議員比率(23.1%)で比較してみると94位、衆議院と参議院の合計の女性議員比率(14.7%)で比較してみると147位となっています。
- (注)
- 日本は、2021年9月現在(衆議院女性議員比率は9月17日現在、参議院女性議員比率は9月21日現在)。その他の国は、2021年1月1日時点。
- (注)
- 日本の出典は、衆議院及び参議院HP。その他の国の出典は、IPU(列国議会同盟)Women in politics:2021。下院又は一院制議会における女性議員比率。
諸外国の女性役員割合
OECDが毎年発表している各国の女性役員割合のデータによると、日本企業の役員に占める女性割合は10.7%であり、G7の中では最下位となっています。
また、我が国においては、女性役員は社外役員が多いなど、男性役員とはキャリアが異なる場合が多く、企業としては、女性の育成?登用を着実に進め、管理職、更には役員へという女性登用のパイプラインを構築することが求められています。
政府としては、公共調達、補助金、認定制度等を活用したインセンティブ付与、資本市場等に対する女性の活躍状況に関する情報の開示、女性の活躍の重要性に関する各界の男性リーダーの理解の促進、人材の育成等必要なあらゆる取組を進めてまいります。
(出典)OECD” Social and Welfare Statistics” 2020年の値。
※EUは、各国の優良企業銘柄50社が対象。他の国はMSCI ACWI構成銘柄(2,500社程度、大型、中型銘柄)の企業が対象。
社会全体における男女の地位の平等感
「令和元年男女共同参画社会に関する世論調査」において、男女の地位は平等になっているか聞いたところ、社会全体でみた場合には、「平等」と答えた者の割合が21.2%、「男性の方が優遇されている」とする者の割合が74.1%(「男性の方が非常に優遇されている」11.3%+「どちらかといえば男性の方が優遇されている」62.8%)でした。
各分野については、「平等」と答えた者の割合が、「学校教育の場」で61.2%、「自治会やPTAなどの地域活動の場」で46.5%、「家庭生活」で45.5%、「法律や制度の上」で39.7%、「職場」で30.7%、「社会通念?慣習?しきたりなど」で22.6%、「政治の場」で14.4%でした。
(出典)内閣府「令和元年男女共同参画社会に関する世論調査」
コロナ下の女性への影響に関するデータ
新型コロナウイルス感染症の拡大は、世界規模で人々の生命や生活に大きな影響を及ぼしており、とりわけ女性の生活や雇用に深刻な影響が及びました。
我が国では、令和2(2020)年4月7日以降、数度に亘り緊急事態宣言が発出され、外出自粛等の影響は、飲食?宿泊業等をはじめサービス業を直撃し、非正規雇用労働者を中心に雇用情勢が急速に悪化しました。
本テーマでは、コロナ下の女性への影響についてご紹介いたします。
就業面等への影響 就業者数の推移、産業別雇用者の男女別?雇用形態別の割合
就業者数は、男女とも2020年4月に大幅に減少。特に女性の減少幅が大きいです(男性:39万人減、女性:70万人減)。年平均では、男女とも24万人の減少となりました。
女性は男性に比べて非正規雇用労働者の割合が高く、特に、コロナ下で影響が大きかった「宿泊、飲食業」「生活、娯楽業」「卸売、小売業」においての割合が高いです。
就業面等への影響 雇用形態別雇用者数の前年、前々年同月差の推移
女性の正規雇用労働者数は「医療、福祉」を中心に増加が続いています。一方、女性の非正規雇用労働者数は、2020年3月以降、「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」を中心に、前年同月差で13か月連続で減少。2021年4月以降は前年同月差では増加しているものの、コロナ前と比較するために前々年同月差を見ると、引き続き減少で推移しています。
就業面等への影響 シングルマザーへの影響(令和2(2020)年7~9月平均)
「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会」(令和2(2020)年9月~令和3(2021)年4月)において、山口慎太郎構成員(東京大学教授)を中心に実施された労働力調査の個票分析などにより、コロナ下でシングルマザーの失業率が上昇したことや、有配偶の女性の非労働力化が進んだことなどがエビデンスとして明らかにされました。
具体的には、シングルマザーの完全失業率は、コロナの影響により約3%ポイント押し上げられましたが、子供のいる有配偶女性には影響が見られませんでした。一方で、子供のいる有配偶女性の非労働力化(就業せず、就職活動もしない)が見られました。
子供のいる有配偶女性の場合、夫の収入があるので一定期間仕事をしないという選択も可能である一方で、シングルマザーは就業を希望しているけれども、希望に見合った仕事がないということが表れている可能性があり、今後も注視していく必要があります。
(注)詳細は「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会」第11回?資料2【PDF形式:3,413KB】をご参照下さい。
生活面への影響 DV(配偶者暴力)相談件数、性犯罪?性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの全国の相談件数の推移
女性に対する暴力は、重大な人権侵害であり、決して許される行為ではありません。しかしながら、コロナ下の生活不安やストレス、外出自粛による在宅時間の増加等によって、女性に対する暴力の増加や深刻化が懸念されています。
全国の配偶者暴力相談支援センターと「DV相談プラス」に寄せられた令和2(2020)年度のDV(配偶者暴力)相談件数は19万0,030件で、前年度比で約1.6倍に増加しました。
「性犯罪?性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」に寄せられた令和2年度の相談件数は5万1,141件で、前年度比で約1.2倍に増加しました。
- (注1)
- 「DV相談プラス」は、令和2(2020)年4月より、新たな配偶者暴力(DV)相談窓口として開設され、24時間の電話相談対応、WEB面談対応、10言語の外国語での相談対応を行っているほか、電話ができない場合にも相談できるようにSNS?メール相談も行っている。
- (注2)
- 「性犯罪?性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」は、性犯罪や性暴力の被害者に対して、心身の負担を軽減するため、被害直後から相談を受け、緊急避妊薬の処方、証拠採取などを行う医療的な支援のほか、心理的支援などを可能な限り一か所で提供する、地域における被害者支援の中核的組織。全都道府県(47か所)に設置されている。
生活面への影響 自殺者数(女性)の推移
コロナ下における女性の自殺の動向は、例年とは異なる様相を呈しています。
令和2(2020)年の女性の自殺者数は、前の年より935人増加(男性は23人減少)、令和3(2021)年1~9月の女性の自殺者数の合計は、前の年の同じ時期より469人増加しています(男性は252人増加)。
職業別で見ると、令和2(2020)年は、過去5年間連続で減少していた「無職者」の自殺が前の年と比べて405人と大幅に増加しました(うち「主婦」の自殺が143人増加)。また、「被雇用人?勤め人」の自殺も、前の年と比べて389人と大幅に増加しました。
コロナ下において人と接する機会や場が少なくなり、経済的にも不安定な生活を強いられる女性が増えています。また、令和2(2020)年度のDV(配偶者暴力)相談件数は、コロナ前の1.6倍になっています。こうしたことが、女性の自殺者数の増加に影響を与えている可能性があります。
就業面等への影響 追加就労希望就業者数の推移
追加就労希望就業者とは、「就業時間が週35時間未満の就業者のうち、就業時間の追加を希望しており、追加できる者」と定義され、「もっと長時間働きたい」という希望を持つ人のことを指します。
追加就労希望就業者数を男女別で見ると、男性よりも女性のほうが多く、2020年では148万人になっています(図1)。新型コロナ感染拡大によって第1回緊急事態宣言が出された2020年4~6月期には、男女とも大幅に増加(男性53万人増加、女性34万人増加)、特に45~54歳の女性の増加幅が大きかったです(図2)。いわゆるシフトが減ったことの影響が考えられます。その後も男女ともに前年、前々年同期差で増加しています。
コロナの感染拡大や、それに伴う緊急事態宣言の影響で、「もっと長時間働きたい」労働者が増加したことが考えられます。
女性に対する暴力についてのデータ
性犯罪?性暴力は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、その心身に長期にわたり重大な悪影響を及ぼすものです。その根絶に向けて、誰もが、加害者にも、被害者にも、傍観者にもならないよう、社会全体でこの問題に取り組む必要があります。今回は、性犯罪?性暴力に関するデータについてご紹介します。
性暴力の相談者の年齢?相談先
性犯罪?性暴力被害に遭った方の年齢は、電話相談、面談による相談とも20代以下が約7割となっています。
望まない性的な行為は性暴力です。迷わず御相談ください。また、周りで悩んでいる方がいらっしゃれば、相談窓口を教えてあげてください。
【性犯罪?性暴力被害者のためのワンストップ支援センター】
全国共通の短縮電話番号「#8891」(早くワンストップ)
【性暴力に関するチャット相談「Cure Time(キュアタイム)」】
ホームページ(https://curetime.jp/) から相談できます。
相談受付 毎週 月?水?土 17:00~21:00
英語や中国語など10言語の外国語にも対応
無理やりに性交等をされた被害経験
図1より、女性の14人に1人は、無理やりに性交等をされた経験があります。
図2より、被害に遭ったときの状況は「相手から、不意をつかれ、突然に襲いかけられた」が最も多く、深刻な被害に遭っています。
いかなる理由であれ、あなたの望まない性的な行為は性暴力です。迷わず御相談ください。
「性犯罪?性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」では、緊急避妊薬の処方や証拠採取の実施といった産婦人科医療、カウンセリングなど必要な支援を可能な限り1か所で受けることができます。秘密は守られます。
【性犯罪?性暴力被害者のためのワンストップ支援センター】
全国共通の短縮電話番号「#8891(はやくワンストップ)」
配偶者からの暴力(DV)は、重大な人権侵害であり、いかなる状況にあっても、決して許されるものではありません。また、被害に遭われた方が、相談し、支援や保護を受けられることが必要です。
新型コロナウイルス感染症の拡大による生活不安やストレスなどにより、DV相談件数が増加し、深刻な状況になっています。令和2年度のDV相談件数は、前年度比で約1.6倍に増加しました。なお、DVの相談件数全体のうち、9割以上は女性からの相談となっています。
本テーマでは、DVに関するデータについて御紹介します。
DV相談者の年齢?相談内容
図1より、配偶者暴力(DV)の相談者の年齢は、30代~40代で全体の約6割を占めています。また、図2より、相談の内容は、人格を否定する発言を繰り返す、長時間説教して寝かせない、といった精神的DVに関することが多く、次いで身体的DVに関することとなっています。
なぐる、けるといった身体的な暴力だけでなく、人付き合いを制限して孤立させる、同意なくスマホにGPSアプリを入れて監視する、スマホ履歴をしつこくチェックするなどもDVです。
DV被害は、次第に深刻化する恐れがあります。相手との関係が「何かおかしい」「つらい」と思ったら、ひとりで悩まず、御相談ください。
【DV相談ナビ】全国共通の短縮電話番号「#8008」(はれれば)
【DV相談プラス】
電話での相談(24時間対応):0120-279-889(つなぐ?はやく)
メールでの相談:https://form.soudanplus.jp/mail
SNSでの相談(英語や中国語など10言語の外国語にも対応しています):https://form.soudanplus.jp/ja
配偶者からの暴力(DV)被害の相談の有無
配偶者から何らかの被害を受けたことがあった方に、被害について、だれかに打ち明けたり、相談したりしたかを聞いたところ、女性の約4割、男性の約6割はどこ(誰)にも相談していないことが分かりました。
相談機関では、被害者の状況に応じて、専門機関の紹介や一時保護といった必要な支援が受けられます。迷わず御相談ください。
【DV相談ナビ】全国共通の短縮電話番号「#8008」(はれれば)
【DV相談プラス】
電話での相談(24時間対応):0120-279-889(つなぐ?はやく)
メールでの相談:https://form.soudanplus.jp/mail
SNSでの相談(英語や中国語など10言語の外国語にも対応しています):https://form.soudanplus.jp/ja
性犯罪?性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの全国の相談件数の推移(令和3年度上半期)
「性犯罪?性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」の令和3年度上半期の相談件数は、前年度同期を3割近く上回り、約29,400件となりました。
いかなる理由であれ、あなたの望まない性的な行為は性暴力です。迷わず御相談ください。「性犯罪?性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」では、緊急避妊薬の処方や証拠採取の実施といった産婦人科医療、カウンセリングなど必要な支援を可能な限り1か所で受けることができます。秘密は守られます。
【性犯罪?性暴力被害者のためのワンストップ支援センター】
全国共通の短縮電話番号「#8891(はやくワンストップ)」
チャットでも性暴力について、御相談いただけます。
【性暴力に関するチャット相談「Cure Time(キュアタイム)」】
ホームページ(https://curetime.jp/) から相談できます。
相談受付 毎週 月?水?土 17:00~21:00
英語や中国語など10言語の外国語にも対応
人生100年時代の結婚と家族に関するデータ
人生100年時代を迎えて、我が国の結婚と家族の姿は、昭和の時代から大きく変化し、かつ多様化しています。
こうした状況の中で、女性が長い人生を通じて直面する可能性のあるリスクを踏まえ、女性が経済的に自立する力を高めていくことが重要です。
本テーマでは、女性の人生と家族形態の変化?多様化に関するデータをご紹介します。
(参考)人生100年時代の結婚と家族に関する研究会
/kaigi/kento/Marriage-Family/index.html
〇 第6回:離婚等で母子世帯になった時の母及び末子の年齢
近年、母子世帯が増加しています。離婚等で母子世帯になった時の状況をみると、その約半数は母親の年齢が30代であり、また、7割近くには5歳以下の子どもがいます。
母子世帯は、一般世帯と比べて就業率が高いものの平均年間就労収入が低くなっています。また、養育費を受け取っていない世帯が全体の4分の3を占めています。日本のひとり親世帯の貧困率は、OECD加盟35か国中34位となっており、我が国は先進国の中でひとり親世帯の貧困率が最も高い国の一つとなっています。
女性の人生や家族の姿が変化?多様化する中で、ひとり親世帯になったとしても貧困等生活上の困難に陥らないよう、ひとり親世帯に対する支援を行うとともに、女性が経済的に自立できるよう取組を進める必要があります。
〇 第5回:女性の非正規雇用者数(配偶関係、年齢階級別)(2020年)
下の図は、労働力調査を基に、女性の非正規雇用者数を、配偶関係、年齢階級別にグラフにしたものです。
25~64歳の女性の非正規雇用者約1097万人のうち、未婚者は約171万人となっています。これは、女性の雇用者数 (約2120万人/25~64歳) の8.1%を占めます。
未婚の非正規雇用の女性は、所得が低い傾向にあり、様々なリスクに対して脆弱な状況にあります。
非正規雇用労働者の待遇改善や正規雇用労働者への転換の取組を進めるとともに、女性の人生や家族の姿が変化?多様化していることを踏まえ、女性の視点も踏まえた税制や社会保障制度等の検討を含め、各種の制度を見直すことが重要です。
〇 第4回:夫の所得階級別の妻の有業率
下の図は、2017年就業構造基本調査を基に、夫の所得階級別の妻の有業率をグラフにしたものです。
夫が30代の世帯を所得階級別に見ると、夫の所得階級が高くなるほど、妻の有業率が低くなる(いわゆる専業主婦が多くなる)傾向が見られます。その傾向は、子供がいる世帯で、より顕著に見られます。
前回、有業の既婚女性の約6割は年間所得が200万円未満であることをご紹介しました(第3回参照)。人生100年時代を迎え、結婚と家族の姿が変化?多様化する中で、無業の場合も、様々なリスクに対して脆弱になります。
働きたい人全てがその能力を十分に発揮できることが重要であり、固定的な性別役割分担意識の解消や、男女間の賃金格差の解消など、意識、制度、慣行といった様々な構造問題を解消する必要があります。
〇 第3回:有業既婚女性の所得分布
下の図は、2017年就業構造基本調査を基に、有業の既婚女性の所得分布を、年齢階級別にグラフにしたものです。
有業の既婚女性の約6割は年間所得が200万円未満です。結婚と家族の姿が変化?多様化する中で、例えば離婚により経済的困難に陥る等、様々なリスクに対して脆弱な状況にあります。
女性が長い人生を通じて経済的困難に陥らないよう、女性が経済的に自立する力を高めていくことが重要です。男女間の賃金格差の解消に向けた構造的な対応や、女性の視点も踏まえた税制?社会保障制度の検討など、様々な角度からの取組が必要です。
〇 第2回:結婚?離婚?再婚件数の年次推移
下の図は、人口動態調査を基に、結婚?離婚?再婚件数の年次推移をグラフにしたものです。
婚姻件数を見ると、1970年は年間102万9,405件でしたが、2020年は52万5,507件へ、大幅に減少しています。
(足元の動きを見ると、2019年は、令和への改元のタイミングで婚姻するいわゆる「令和婚」の影響もあり、前年より増加しました。一方、2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行が少なからず影響し、前年より減少しました。)
また、離婚件数を見ると、1970年は年間9万5,937件でしたが、2020年は19万3,253件へ、大幅に増加しています。2020年は、離婚件数は婚姻件数の約3分の1となっています。
さらに、再婚件数を見ると、1970年は年間11万4,535件でしたが、2020年は13万8,624件となりました。2020年は、全婚姻件数に占める再婚件数の割合は26.4%であり、婚姻の約4件に1件が再婚となっています。
このように、近年の結婚と家族をめぐる状況は、昭和の時代と比べて大きく変化しています。
〇 第1回 : 配偶関係別の人口構成比(男女別)(1985年と2020年の比較)
下の図は、国勢調査を基に、配偶関係別の人口構成比を、男女別に表したグラフです。
1985年と2020年を比較すると、2020年は、男女共に「未婚」と「離別」の割合が大幅に増加しています。
50歳時の未婚割合を見ると、男性は3.7%(1985年)から25.9%(2020年)へ、女性は4.3%(1985年)から16.4%(2020年)へ、それぞれ増加しており、未婚化が進んでいることがわかります。
また、同じく50歳時の離別割合を見ると、男性は2.9%(1985年)から6.0%(2020年)へ、女性は4.4%(1985年)から10.5%(2020年)へ、それぞれ増加しており、配偶者と離別して独身の人の割合が増えていることがわかります。
50歳時点で未婚?離別により配偶者のいない人の割合は、2020年では男女共に約3割となっており、夫婦と子供のいる家族だけでなく、いわゆるおひとりさまや、ひとり親世帯が大幅に増えるなど、昭和の時代と比べて、結婚と家族の姿が変化?多様化していることが見て取れます。
男女間賃金格差に関するデータ
我が国の男女間賃金格差は長期的には縮小傾向にあるものの、諸外国と比較すると依然として大きな格差が存在します。
人生100年時代を迎え、人生や家族の姿が多様化する中で、女性が経済的に自立できるよう取組を進める必要があり、その中で男女間賃金格差の是正は重要な課題です。
本テーマでは、我が国の男女間賃金格差の実態について、6回にわたり毎週ご紹介します。
男女間賃金格差の現状
我が国の男女間賃金格差は長期的に見ると縮小傾向にあり、令和2(2020)年の男性一般労働者の給与水準を100としたときの女性一般労働者の給与水準は74.3となっています【図1】。
諸外国と比較すると、フルタイム労働者の賃金の中央値?下位10%?上位10%のいずれにおいても、我が国の男女間賃金格差は国際的に見て大きい状況にあることが分かります【図2~4】。
学歴別に見た男女間賃金格差
学歴別に年収を見ると、同じ学歴でも男女間に年収の格差があり、年齢の上昇とともに拡大する傾向があります。また、入社の時から50歳台に入るまで、女性の大卒者の年収は男性の高卒者の年収とほぼ同じ水準です【図1】。正社員?正職員に限って見ても、この傾向は変わりません。【図2】。
同じ学歴でも女性の賃金が男性より低いことで、「女性は頑張っても意味がない」、「稼げる男性に養ってもらった方がいい」と女子学生の就業意欲や就学意欲が阻害される可能性が考えられます。男女共に、能力を十分に発揮できる社会の実現のためにも、男女間賃金格差をなくしていく努力が必要です。
雇用形態別に見た男女間賃金格差
雇用形態別の所定内給与額(月額)を見ると、同じ正社員同士、非正規雇用労働者同士でも男女間の給与に差があり、その差は特に正社員の間で顕著です。正社員における男女間の賃金格差は年齢とともに上昇し、55~59歳でピークを迎えます。この背景には、管理職比率や勤続年数の差異をはじめ、様々な要因が指摘されています。
また、我が国では、女性の労働者の約半数が非正規雇用です。そのため、同一労働同一賃金を徹底し、正規雇用労働者と非正規雇用労働者間の不合理な待遇差をなくすことが重要です。
産業別?従業員規模別に見た男女間賃金格差
産業別の男女間賃金格差を見ると、「運輸業、郵便業」や「情報通信業」で比較的小さく、女性の従業員が約半数を占める「金融業、保険業」で最も大きいです【図1】。また、従業員規模別の男女間賃金格差を見ると、大企業ほど格差が大きい傾向にあります【図2】。
男女間賃金格差については、各企業において、現に存在している格差が本当に合理的なものかどうかを改めて確認し、不合理な格差がある場合には、その解消に向けた取組を行う必要があります。
役職別に見た男女間賃金格差
役職別の男女間賃金格差を見ると、部長級?課長級?係長級といった同じ役職の間でも、男女間に年収の差が存在します。ただし、役職に就いているほうが、就いていない(非役職)よりも差は小さいことが分かります。また、役職別の女性割合を見ると、役職が上がるにつれて徐々に減少し、部長級では1割未満となります。
管理職への女性の登用を促進することは、男女間賃金格差の是正にもつながるものです。
勤続年数別に見た男女間賃金格差
正社員?正職員の勤続年数別の男女間賃金格差を見ると、同じ勤続年数でも男女間賃金格差が存在し、その差は勤続年数が長くなるほど拡大しています。勤続年数が30年以上の場合では、所定内給与(月額)で約10万円の差が生じています。
この要因のひとつとして、長時間労働や転勤を昇進の前提として当然視するような労働慣行や、「組織のリーダーは男性のほうが向いている」「育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきでない」といった性別による無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)により、女性の登用が妨げられていることも考えられます。このような慣行を変えていくことが重要です。
ジェンダー平等の進捗状況を示す国際比較データ
ジェンダー平等社会の実現のためには、あらゆる分野において女性の参画拡大を進めるとともに、全ての政策分野において、男女共同参画の視点を常に確保し施策に反映することが必要です。各国のジェンダー平等がどの程度進んでいるかについて、複数の国際機関がそれぞれの基準によって国際比較を行ったデータを公表しています。
これから4回にわたり、ジェンダー平等の進捗状況を示す国際比較を行ったデータを毎週御紹介します。
エクイリープ「ジェンダー平等グローバルレポート&ランキング2022」
企業のジェンダーに関するデータ取得と評価を行っているオランダのエクイリープは、ジェンダー平等に関わる19項目の基準をもとに、世界の3,500社を超える上場企業を中心に調査、ランク付けをしています。
2022年3月、報告書「ジェンダー平等グローバルレポート&ランキング2022」を公表しました。調査対象となった日本企業の平均スコアは28%で、15か国中15位、また、日本企業の中で最も高い順位でも208位となっています。我が国は、取締役を含む全ての階層における女性の割合が世界平均より著しく低いほか、昇進及びキャリア開発の機会、男女間賃金格差のスコアが低くなっています。
英エコノミスト誌「ガラスの天井指数(2021)」
英エコノミスト誌は2022年3月にOECDに加盟している先進国を中心とした29カ国を対象に、女性の働きやすさを指標化したランキング「ガラスの天井指数(2021)」を公表しました。この調査では、「高等教育進学率」、「労働参加率」、「賃金格差」、「子育て費用」、「母親の産休?育休取得の所得保障(週分)」、「父親の産休?育休取得の所得保障(週分)」、「GMAT(ビジネススクール受験のための試験)受験者女性割合」、「管理職女性割合」、「企業役員女性割合」、「国会議員女性割合」の10項目から、総合的な女性の働きやすさについて国ごとのランキングを算出しています。
我が国は、調査対象の29カ国のうち2年連続で28位と低い順位となっており、「賃金格差」、「管理職女性割合」、「企業役員女性割合」、「国会議員女性割合」は、特に他国に比べ非常に低いスコアとなっています。
世界銀行 「女性?ビジネス?法律2022」
世界銀行は、2022年3月に「女性?ビジネス?法律2022」を公表しました。この報告書は、「可動性」(住居、旅行)、「職場」、「賃金」、「結婚」、「育児」、「起業」、「資産」、「年金」の8つの分野の法規制が女性の経済的機会にいかに影響を及ぼしているかを調査したものです。
我が国は、調査対象の190か国?地域のうち103位で、「可動性」(住居、旅行)、「育児」、「資産」、「年金」は100点ですが、「職場」、「賃金」、「結婚」、「起業」のスコアが低くなっています。我が国の課題としては、職場でのセクシュアル?ハラスメントに関する罰則がないこと、女性の再婚禁止期間の規定、また女性の雇用に関する制限(業種や職種の一部の規制)が挙げられています。各国が男女平等に向けた取組を進める中、我が国としても取組を格段に加速していくことが必要です。
G7各国のジェンダー?ギャップ指数と順位の推移
世界経済フォーラムが発表した2021年のジェンダー?ギャップ指数の総合順位は120位(156か国中)で、2006年の80位から、大幅に順位が後退しています。一方で、スコアに注目するとほぼ横ばいであることから、諸外国がジェンダー平等に向かって走り続けている中、我が国の取組が遅れていることを示しています。特に政治分野と経済分野における値が低くなっていることを踏まえ、これらの分野において異次元のスピードで取組を進めていく必要があります。
モデル?アイドル等の勧誘を受けた経験等
AV出演被害の問題は若い女性にとって身近な問題です。
今回は、「モデル?アイドル等の勧誘を受けた経験」、「聞いていない?同意していない性的な行為等の撮影要求」についてのデータを紹介します。
【モデル?アイドル等の勧誘を受けた経験、聞いていない?同意していない性的な行為等の撮影要求】
若年を中心とする女性(15歳(中学生を除く)~39歳)に対するインターネット調査によると、約4人に1人(24.6%)がモデル?アイドル等の勧誘を受けた経験があり、モデル?アイドル等の勧誘を受けたり、応募した経験のある女性のうち、約7人に1人(13.4%)が「聞いていない?同意していない性的な行為等の撮影要求を受けたことがある」と回答しました。
性的な撮影の被害の問題は、深刻な人権侵害です。
このため、政府は、3月31日、「アダルトビデオ」出演強要問題緊急対策パッケージを決定しました。
少しでもおかしいと感じたら「絶対」にサインせず、また、サインした場合でもあきらめず、信頼できる人や以下の相談先に相談してください。
【性犯罪?性暴力被害者のためのワンストップ支援センター】
全国共通の短縮電話番号「#8891(はやくワンストップ)」
【性暴力に関するSNS相談「Cure time(キュアタイム)」】
チャットでも性暴力について、御相談いただけます。
ホームページ(https://curetime.jp/) から相談できます。
【「アダルトビデオ」出演強要問題緊急対策パッケージ】
被害者保護に係る各種法制度をまとめています。
デジタル分野の人材(女性)の年収の推移
新型コロナウイルス感染症の拡大は、特に女性の就業面に大きな影響を与え、非正規雇用労働者への厳しい影響は今なお継続しています。他方で、情報通信業はコロナ下においても雇用が増加し、その他の業種でもデジタル人材の需要が高まる中で、女性のデジタルスキルの向上と就労支援が重要となっています。
デジタル分野の人材(女性)の年収の推移
システムコンサルタントやソフトウェア作成者といったデジタル分野で働く女性は、経験年数に比例して順調に年収が伸びています。
コロナ下で厳しい状況にある女性の所得向上や経済的自立に向けて、就労に直結するデジタルスキルを身に付けた女性デジタル人材育成の加速が求められます。
本年4月に決定した「女性デジタル人材育成プラン」に基づき、今後3年間集中的に、政府一体で取組を強力に進めます。
※女性デジタル人材育成プラン
/policy/digital/index.html
男性の家庭?地域社会における活躍
男女共同参画の実現に向けては、女性の活躍促進と並行して、男性の活躍の場を家庭や地域社会に広げることが不可欠です。
家事に関する配偶者との役割分担の希望について見ると、20~30代の男性の7割以上が「自分と配偶者で半分ずつ家事負担」したいと考えています。
しかし、実際の生活時間について見ると、日本の男性の労働時間は長い一方、家事?育児などの無償労働時間は女性に大きく偏っており、諸外国と比較しても男女差が大きい状況です。
男性の家事?育児参画を促していくため、長時間労働の是正に加え、コロナ下で広まったテレワーク等の多様で柔軟な働き方をさらに普及させていくことも重要です。
女性役員がいない東証一部上場企業数
2021年7月末時点の東京証券取引所第一部市場上場企業において、いまだ約1/3の企業において女性役員がいません。
女性の活躍推進は、少子高齢化に伴う人口減少が深刻化する我が国において、多様な視点によってイノベーションを促進し、我が国の経済社会に活力をもたらすものであり、持続的成長のために不可欠なものです。
内閣府では、2022年4月4日の東京証券取引所市場再編を受け、プライム市場上場企業を対象として、執行役員等を含めた役員に占める女性割合の調査を行う予定です。
また、今後も引き続き、女性の企業役員等への登用拡大に当たっての諸課題についての把握?分析や、諸外国の制度?施策等の情報収集を行うとともに、女性のキャリア継続や役員への育成?登用等を促進する取組を進めていきます。
女性議員がゼロの地方議会
政治分野における男女共同参画の推進は、政治に的確に民意を反映させる観点から極めて重要です。
我が国の女性は、人口の51.4%(令和3年10月1日現在)、有権者の51.7%(令和3年10月31日現在)を占めていますが、令和3年12月時点で女性議員が一人もいない地方議会が、市議会で24、町村議会では251存在しています。
令和2年度に内閣府が地方議会議員を対象に行った調査によると、議員活動と家庭生活との両立が難しいこと、性別による差別やセクシュアルハラスメントがあることなどが女性の政治参画の障壁の主な要因として挙げられています。
内閣府では、各議会等でハラスメント防止のための研修を実施する際に活用できる動画教材を作成し、令和4年4月から男女共同参画局の公式YouTubeに掲載しています。
このほか、各議会の女性議員割合や取組状況がわかるマップの作成等による「見える化」や、諸外国の取組事例の情報提供等を通じて、引き続き政治分野における男女共同参画の取組を後押ししていきます。
○政治分野におけるハラスメント防止研修教材(動画)
https://youtu.be/PjLN17TKmwY
○各議会における女性議員割合等の「見える化」
在外公館の特命全権大使、総領事に占める女性割合と人数
政策?方針決定過程への女性の参画拡大は、社会に多様性と活力をもたらし、あらゆる人が暮らしやすい社会の実現のために極めて重要です。その中でも、任地国における日本政府の代表として勤務する大使や総領事に占める女性の数を増やしていくことは、日本外交の意思決定層に多様な視点を取り入れていく上でも、また、我が国における女性活躍の取組を世界に向けて示していく上でも重要です。
我が国の在外公館における特命全権大使、総領事に占める女性の割合は、令和3年7月現在4.7%で、235人中11人にとどまっています。政府としては、第5次男女共同参画基本計画において、令和7年までに8%にするとの成果目標を掲げているところであり、この目標の着実な達成に向けた取組を進めます。
令和4年版男女共同参画白書掲載データ
6月14日に「令和4年版 男女共同参画白書」を公表しました。
今回の特集テーマは「人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~」です。
人生100年時代を迎え、女性の半分以上は90歳まで生きます。離婚件数は結婚件数の3分の1にまで上り、50歳時点で配偶者のいない人の割合は男女ともに約3割に達するなど、家族の姿や人々の人生は昭和の時代から大きく変化?多様化しています。
特集では、各種統計データや、17吃瓜网在线51吃瓜黑料不打烊で実施した調査結果等を用いて、こうした変化?多様化の実態を、エビデンスに基づき明らかにしました。
白書に掲載しているデータの一部を御紹介します。
結婚を取り巻く状況 ~現在の配偶者状況~
17吃瓜网在线51吃瓜黑料不打烊で実施した調査によると、20代の女性の約5割、男性の約7割が、「配偶者、恋人はいない(未婚)」と回答しています。また、30代以上でも、男女ともに、全世代で2割以上が「配偶者、恋人はいない(未婚)」と回答しています。
結婚を取り巻く状況 ~「デート」した人数~
17吃瓜网在线51吃瓜黑料不打烊で実施した調査によると、中学卒業から最初の結婚まで「デート」した人数について尋ねると、20代の独身男性の約4割、30代の独身男性の約35%が、「これまで一度もデートをしたことがない」と回答しています。なお、「恋人として交際」した人数についても、同様の傾向が見られます。
結婚を取り巻く状況 ~今後の結婚願望~
17吃瓜网在线51吃瓜黑料不打烊で実施した調査によると、独身者のうち、これまで結婚経験のない人の今後の結婚願望については、20代では女性の14.0%、男性の19.3%が、「結婚意思なし(※)」と回答しています。また、30代では、男女ともに約4人に1人が「結婚意思なし」と回答しています。
家族の姿の変化?多様化とともに、結婚に対する考え方も、多様化しています。
(※)「出来ればしたくない」「したくない」の累計値。
結婚を取り巻く状況 ~積極的に結婚したいと思わない理由~
17吃瓜网在线51吃瓜黑料不打烊で実施した調査によると、積極的に結婚したいと思わない理由について、独身の女性は、「結婚に縛られたくない、自由でいたいから」、「結婚するほど好きな人に巡り合っていないから」が5割前後となっています。
男女間で差があり、女性の方が高いものは、「仕事?家事?育児?介護を背負うことになるから」「名字?姓が変わるのが嫌?面倒だから」など、男性の方が高いものは、「結婚生活を送る経済力がない?仕事が不安定だから」となっています。
離婚を取り巻く状況 ~過去の離婚の経験~
17吃瓜网在线51吃瓜黑料不打烊で実施した調査によると、50~60代の女性の約2割は離婚経験があります。また、50~60代の現在独身の人に着目すると、女性は約半数に離婚経験があります。
離婚を取り巻く状況 ~離婚の可能性~
17吃瓜网在线51吃瓜黑料不打烊で実施した調査によると、現在結婚している人のうち、将来、「離婚可能性あり」と回答した人は、男女ともに約15%となっています。年代別で見ると、男女ともに40代が高く、20%前後となっています。
家族の姿が変化した今、結婚は必ずしも安定した生活を保障してくれるセーフティーネットではなくなっていることが分かります。
家族を取り巻く状況 ~昭和より前の時代の、我が国の家族~
令和4年版男女共同参画白書のコラムでは、明治時代まで遡って見てみると、我が国の家族の姿は、また異なっていたことを紹介しています。
例えば、明治16(1883)年の離婚率は3.39(人口千対)と、令和2(2020)年の約2倍でした(図1)。また、明治36(1903)年の婚外子の割合は9.4%と、令和2(2020)年の4倍近くでした(図2)。
家族を取り巻く状況 ~事実婚の実態~
令和4年版男女共同参画白書では、事実婚の実態についてのコラムを掲載しています。
事実婚に関するデータは少なく、実態は見えにくいですが、内閣府で令和3(2021)年に実施した各種意識調査の結果を見ると、事実婚を選択している人は成人人口の2~3%を占めていることが推察されます。
離婚を取り巻く状況 ~夫婦関係の破綻した原因~
令和4年版男女共同参画白書では、離婚について、分析をしています。
夫婦関係が破綻した原因を見ると、男女ともに「性格の不一致」が一番多く、6~7割となっています。女性の場合は「精神的な暴力」がこれに続き、29.8%となっています。
「精神的な暴力」については、例えば罵声や暴言を浴びせる、大声で怒鳴る、汚い言葉で被害者を非難する、などの心無い言動等が続くことにより、相手の心を傷つけることを指しますが、その結果、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に至るなど、刑法上の傷害とみなされるほどの精神障害に至れば、刑法上の傷害罪として処罰されることもある、重大な人権侵害行為です。
収入を取り巻く状況 ~結婚後の収入の理想と現実~
17吃瓜网在线51吃瓜黑料不打烊で実施した調査によると、結婚後の収入の理想と現実について、女性は、結婚前の望み(理想)は、「結婚前と同様の収入」「結婚前を上回る収入」の累計値が60~70%となっているのに対し、実際どうだったか(現実)では、約50%となっています。
また、結婚当初、子供が生まれる前から、就業調整※をする意識は高くないものの、「現実」としては、就業調整をしている女性が約1~2割いることが分かります。
※収入を一定に抑えるために就業時間や日程を調整することを指す。
収入を取り巻く状況 ~既婚者と独身者の個人年収の比較~
17吃瓜网在线51吃瓜黑料不打烊で実施した調査によると、40~50代の男女について、既婚者と独身者(居住形態別)の個人年収については、独身女性で個人年収300万円未満(収入なし含む)なのは、「1人暮らし」が約5割、「親と同居」が約6割となっています。
また、独身男性では、「700万円台以上」の割合が既婚者と比較して低いです。
収入を取り巻く状況 ~配偶者?恋人との年収の違いについて~
17吃瓜网在线51吃瓜黑料不打烊で実施した調査によると、配偶者?恋人との年収の違いに関する意識については、女性は全ての年齢層で3~4割が「相手の年収はもっと高い方が望ましい」としている一方で、男性は全ての年齢層で2~3割が「相手の年収はもっと低くても良い」 と回答しています。
また、女性は全ての年齢層で約1割が「相手の年収との関係で、家事?育児等は出来れば自分がやらなければならない」と考えています。
ジェンダー?ギャップ指数(GGI)2022年
世界経済フォーラムが発表した2022年のジェンダー?ギャップ指数の日本の総合順位は、146か国中116位(前回は156か国中120位)と、前回と比べほぼ横ばいの順位となりました。
また日本は、「教育」の順位は146カ国中1位(前回は92位)、「健康」の順位は146カ国中63位(前回は65位)と世界トップクラスの値である一方、「経済」及び「政治」における順位が低くなっており、「経済」の順位は146か国中121位(前回は156か国中117位)、「政治」の順位は146か国中139位(前回は156か国中147位)となっています。
末子が就学前の夫婦の仕事時間、家事?育児関連時間(5年ごとの推移)
末子が就学前の夫婦について、妻の就業の有無に関わらず夫の家事?育児関連時間は増加傾向にありますが、依然として妻よりも非常に短い状況です。
男女共同参画の実現に向けては、女性活躍推進と並行して、男性の活躍の場を家庭や地域に広げることが不可欠です。
そのためには、長時間労働の是正や、コロナ下で広まったテレワーク等の多様で柔軟な働き方をさらに普及させていくこと等が必要です。
第16回「出生動向基本調査」(結婚と出産に関する全国調査)掲載データ
9月9日に、国立社会保障?人口問題研究所が実施した「第16回出生動向基本調査」(結婚と出産に関する全国調査)が公表されました。
この調査は5年ごとに実施され、若者や子育て世代の結婚や出産をめぐる行動や意識の変化を捉えています。今回公表された第16回調査は、当初、令和2(2020)年6月に実施される予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期して実施されました。
今回は、この調査に掲載されているデータの一部を御紹介します。
(参考)
結婚?出産?仕事をめぐる女性のライフコース
未婚女性(18~34歳)の理想のライフコースを見ると、これまで増加傾向にあった「両立」が「再就職」を抜いて34.0%と初めて最多になりました。また、「再就職」と「専業主婦」が減少する一方で、「非婚就業」と「DINKS」が増加しています。
未婚女性の予想のライフコースを見ると、これまで増加傾向にあった「非婚就業」が急増し、「再就職」「両立」を抜いて33.3%と最多になりました。「両立」は横ばいですが、「再就職」は大きく減少しています。また、「専業主婦」は3.6%まで減少して「DINKS」を下回り、初めて最少になりました。
他方、未婚男性(18~34歳)が将来のパートナーに望むライフコースを見ると、これまで増加傾向にあった「両立」が「再就職」を抜いて39.4%と初めて最多となりました。
「両立」を将来のパートナーに期待する未婚男性の割合(39.4%)は、「両立」を理想とする未婚女性の割合(34.0%)を上回る一方、「専業主婦」を将来のパートナーに期待する未婚男性の割合(6.8%)は、「専業主婦」を理想とする未婚女性の割合(13.8%)を下回っています。
結婚?出産前後の女性の就業継続率
結婚後も就業を継続する女性の割合は年々上昇を続け、直近では85.1%に達しました。
第1子出産後も就業を継続する女性は4割程度で推移してきましたが、2010年代から大幅に増加し、直近では約7割まで上昇しています。また、第2子、第3子出産後の就業継続率は更に高く、約9割に達しました。
第1子出産後の就業継続率は、従業上の地位に応じて大きく異なります。「正規の職員」と「自営業主等」の就業継続率が8~9割を超えているのに対し、「パート?派遣」の就業継続率は4割に止まっています。
結婚?家族に関する未婚者の意識
第16回調査(2021年)は、未婚者(18~34歳)の結婚や家族に対する考え方が大きく変化したことを窺わせる結果となりました。
上場企業における女性役員に関するデータ
上場企業の女性役員数の推移
2012年から2022年の10年間で、上場企業の女性の役員数は5.8倍に増加しているものの、未だ役員に占める女性の割合は、9.1%(2022年7月末時点)にとどまっています。
女性役員がいないプライム市場上場企業数
また、2022年7月末時点の東京証券取引所プライム市場上場企業において、未だ約2割の企業で女性の役員がいません。
現在、内閣府では、プライム市場上場企業を対象に執行役員等を含めた役員に占める女性割合の調査を行っています。この結果を踏まえ、今年度内に第5次男女共同参画基本計画における令和7年度までの企業における女性の役員割合に関する新たな成果目標の設定を行う予定です。
このほか、2022年時点でのデータで情報サイトを更新しています。詳しくはこちら。
ジェンダー開発指数(GDI) 2022年
国連開発計画(UNDP)が公表した2022年の日本のジェンダー開発指数(GDI)は0.970(191か国中76位)という結果となりました。
ジェンダー開発指数は、人間開発の3つの基本的な側面である健康、知識、生活水準における女性と男性の格差を測定し、人間開発の成果におけるジェンダー不平等を表しています。
順位 | 国名 | GDI値 |
---|---|---|
1 | 米国 | 1.001 |
1 | アルメニア | 1.001 |
1 | スリナム | 1.001 |
1 | スロベニア | 0.999 |
1 | スロバキア | 0.999 |
6 | カザフスタン | 0.998 |
6 | ベトナム | 1.002 |
8 | アルゼンチン | 0.997 |
― | ― | ― |
75 | キプロス | 0.972 |
76 | 日本 | 0.970 |
76 | イタリア | 0.970 |
76 | セントビンセント?グレナディーン | 0.970 |
76 | リトアニア | 1.030 |
80 | モンゴル | 1.031 |
80 | ギリシャ | 0.969 |
(参考)?GDIは国連開発計画(UNDP)「人間開発報告書2021/22」より作成。
?GDI値が1に近いほど順位が高いとされている。
http://hdr.undp.org/en/content/gender-development-index-gdi
ジェンダー不平等指数(GII) 2022年
国連開発計画(UNDP)が公表した2022年の日本のジェンダー不平等指数(GII)は0.083(191か国中22位)という結果となりました。ジェンダー不平等指数とは、リプロダクティブ?ヘルス(性と生殖に関する健康)、エンパワーメント、労働市場への参加の3つの側面における女性と男性の間の不平等による潜在的な人間開発の損失を映し出す指標です。値は、0(女性と男性が完全に平等な場合)~1(すべての側面において、男女の一方が他方より不利な状況に置かれている場合)の間の数字で表されます。
順位 | 国名 | GII値 |
---|---|---|
1 | デンマーク | 0.013 |
2 | ノルウェー | 0.016 |
3 | スイス | 0.018 |
― | ― | ― |
21 | アイルランド | 0.074 |
22 | 日本 | 0.083 |
22 | イスラエル | 0.083 |
22 | フランス | 0.083 |
25 | ニュージーランド | 0.088 |
(参考)GIIは国連開発計画(UNDP)「人間開発報告書2021/22」より作成。
http://hdr.undp.org/en/content/gender-inequality-index-gii
令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス?バイアス)に関する調査研究
我が国における男女共同参画の取組の進展が未だ十分でない要因の一つとして、社会全体において固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み(アンコンシャス?バイアス)が存在していることが挙げられます。 17吃瓜网在线51吃瓜黑料不打烊では、昨年度に続き、本年8月に「性別による無意識の思い込み(アンコンシャス?バイアス)に関する調査」を実施しました。
調査結果 性別役割意識(全体)
性別役割意識について、男女ともに上位に入った8項目のうち7項目は、「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した割合は男性の方が高い割合となりました。
また、今回調査で新規追加した測定項目が上位に入っており、男女ともに「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」が最も高くなっています。その他、男女差が大きく開いたのは「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」、「男性は結婚して家庭をもって一人前だ」、「男性は人前で泣くべきではない」の3項目であり、 前回調査と同様に全体的に男性が高い割合となっています。
調査結果 性別役割意識(シーン別)
家庭?コミュニティシーン、職場シーンにおいて、新規追加項目で男女とも上位5項目に入った「女性は結婚によって、経済的に安定を得る方が良い」、「仕事で成功していても、結婚をしていない男性は何かが足りないと感じる」は女性に比べ男性の方が「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が高くなりました。
また、前回調査と同様に、家庭?コミュニティシーンでは、女性より男性の方が仕事と家事の分担に関して「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が高く、職場シーンでは、男女ともに「育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきではない」が「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が最も高くでています。
調査結果 性別役割意識(役職別)
職場シーンについて、役職別でみると、役職が高いほど、「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が高い結果となりました。役員?部長(代理)クラスは、他の階層よりも「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が高くみられ、特に20~40代の若い世代の役員?部長(代理)クラスで「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が高くでています。
調査結果 男女差でみえるアンコンシャス?バイアス
全項目平均では、性別役割の「意識」は男性が強い一方で、直接言われた?言動や態度から感じた「経験」は女性のほうが多くなっています。
男性は女性と比べて、性別に基づく役割を直接言われた、あるいは言動や態度で間接的に接した「経験」は少なく、伝統的な役割観に自身がとらわれていることに気づいていない可能性がうかがえました。
調査結果 職場項目における性別役割意識
職場の役割分担に関する項目において、20代男性で「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が高いものが多くみられました。
さらに、「男性は出産休暇/育児休業を取るべきでない」、「仕事より育児を優先する男性は仕事へのやる気が低い」については、20代の男女間でも大きな差がみられる結果となっています。
調査結果 性別役割意識(性年代別)における結婚に対する価値観の相違
「女性は結婚によって、経済的に安定を得る方が良い」は、性年代別で大きな差はないものの、いずれの層でも一定数みられており、直接言われたあるいは言動や態度から感じた「経験」では、男性より女性の方が多く、女性は年代が高くなるほどそう感じさせられた割合が高くなっています。特に女性50-60代が多く経験しています。
直接または間接的にそう感じさせた人として、女性は「母親」が1位で、次いで「父親」となっており、同性の友人や親戚が上位に入っていました。